辛み成分を持続させました
コショウやトウガラシの辛みは抜けにくい一方で、ワサビの辛みはとても抜けやすいという特徴があります。これはワサビの辛み成分である「アリルイソチオシアネート」が時間の経過や水分加水、熱に弱いからといった理由にあります。当社へのご依頼の内容は、ワサビ味の佃煮や海産系珍味、海産食品が、流通の段階で辛味が抜けてしまう。ワサビの辛みを飛躍的に持続させられないか?というものでした。前述のようにアリルは水分加水によって劣化、変性、揮発しやすく水性アリルはほとんど期待できません。
辛みの強い油性アリルを、製品にダイレクトで使うと油分が浮いてしまう、酸化によって不快な香りを出すなど、業界はジレンマを抱えておりました。このジレンマを当社の乳化技術で解消しました。油性アリルを完全水溶性に乳化し、辛みが強いという特徴はそのままに、海産製品のような水分存在下でも十分に効果が発揮できる水溶性ワサビエマルジョンを完成させました。この製品によって辛み持続が飛躍的に伸び、また一般生菌抑制にも一役かって、あのたこわさび製品化時の原料となり、現在に至っております。(特許取得)